過去の岡山県議会一般質問集 <対マニフェスト>篇 | ||
<平成19年6月定例会>(2007年6月22日)
(佐藤) まずもって,ローカルマニフェスト推進首長連盟の会員である知事に。今回の統一地方選挙におきまして,地方議員が政策やマニフェストを掲げて戦うことが本当に難しいなというのを痛感しました。私自身ローカルマニフェスト推進地方議員連盟の運営委員の一人として,選挙の開票事務について質問させていただきます。 私は,この開票事務の問題は,自治体業務における迅速性効率性の追求の意識の重要性とともに,県庁,県内市町村の職員の皆様の意識改革の議論そのものであると考えております。災害時の対応のとき以外で,自分の持ち場以外に役所が一致団結して行う数少ない業務であって,開票事務改善に取り組むことが縦割り意識を打破し,チームワークを高めることにもなる,そのように思います。また,創意工夫で改善していくことは,自治体業務すべてに通じることだと,私は思います。当然に正確性を担保した上で,公職選挙法でも地方自治法でも,選挙の開票事務が迅速かつ効率的に行うべきことが読んで取れますけれども,4月の統一地方選挙では,県議会議員選挙の開票所要時間の平均は1時間50分で,自治体の規模の大小はございますけれども,全国19位でございます。県内の自治体がこの趣旨に沿って開票事務を行われているのか,特に県知事選挙,県議会議員選挙には,県からの交付金も出ております。知事並びに,きょうはもう本当に大当たりで申しわけないんですけれども,選挙管理委員会委員長に開票作業の意義も含めてその感想をお伺いいたします。 また,19年度当初予算の開票所経費は,県議会議員選挙関連分が612万4,000円,参議院議員通常選挙関連分9,147万9,000円が計上されており,平均開票時間が短縮されれば,それだけ人件費の削減効果もあるのではないかと思われますが,さらに改善され,減少した交付金と基準額の差額を別の名目で一部還元するなど,いわゆるインセンティブをつけて予算全額使い切りの慣習の改革もできると思いますが,いかようにお考えでしょうか。 特に,7月二十何日かに予定されている参議院選挙につきましては,比例代表は非拘束名簿式であることから,恐らく100種類以上の票のパターンが出てくると思います。開票事務は,かなり煩雑になる,そして開票事務改善がなされていないことによるおくれが逆の意味で目立つことになります。開票事務改善の要諦は,トップリーダーの本気度と明確な数値目標の設定であると言われておりますが,具体的な時間短縮,コスト削減は行えないでしょうか。先日は,県報道責任者会からも迅速開票の要望がなされたと聞きます。知事及び選挙管理委員会委員長の決意のほどをお聞かせください。 (知事) まず,選挙の開票に関してでありますが,開票事務の改善に関しましては,正確性を確保した上で迅速かつ効率的に開票作業を行うことは,選挙の結果を早く知りたいという住民の要請にこたえるためにも大変重要なことであると考えております。また,開票事務の改善や迅速な開票作業ということを通じまして,職員の意識や姿勢に変化が起こり,ひいては行政改革の推進につながるということも期待されるものであります。県及び市町村の選挙管理委員会では,これまでも開票事務の迅速化に向けてさまざまな取り組みを行っているものと承知しておりますが,選挙事務の重要性等にかんがみ,今後,なお一層の改善に取り組まれることを期待いたしております。 開票所経費についてでありますが,選挙において市町村が実際に要した経費については交付をしておりまして,支出されていない経費を交付することはできないところであります。選挙に関する交付金のこうした性格ということを踏まえますと,開票時間を短縮して人件費の節減効果により生じた差額を別の名目で一部還元するということは適当ではないものと考えております。 迅速開票についてでありますが,先ほどお答え申し上げましたとおり,正確かつ迅速な開票を行うということは極めて重要なことでありまして,迅速化に向けましては,開票事務を所掌する選挙管理委員会において積極的に取り組まれることを期待いたしたいと存じます。 (選挙管理委員会委員長) まず,開票事務の改善についてでありますが,開票結果をできるだけ早く選挙人の皆様にお伝えすることは,選挙管理委員会の大きな責務でありまして,正確かつ迅速に開票作業を行うことは大変重要なことと考えております。今回の県議会議員選挙におきましては,開票時間が単純平均で前回より10分余り長くなっておりまして,合併により市町村の規模が拡大したことや無投票となった選挙区の状況が異なることから,単純には比較することはできませんが,結果からすれば,必ずしもスピード化が図られたとは言えない状況であります。県選管では,選挙前に市町村選管に対し開票事務の改善事例などの情報提供を行っており,また,各市町村選管では,これらを参考にさまざまな取り組みを行ったところではありますが,今回の結果からすれば,引き続き一層の改善の必要があるものと考えております。 次に,迅速開票についてでありますが,開票事務の改善に向けた時間短縮やコスト削減宣言を行ってはとの御提案でありますが,まずは投票の仕分け方法,疑問票の処理など,一つ一つの開票作業について,迅速化に向けた具体的な改善策を検討することが必要であると考えております。このため,実際に開票事務を担う市町村選挙管理委員会と一体となって,作業の分析,前回との比較検討,先行事例の調査研究等を行いまして,開票事務の迅速化に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 (知事) まず,中長期の計画等についてでありますが,体系の整理でございます。 本県におきましては,「快適生活県おかやま」の実現という県政の基本目標を示しました長期ビジョン,その行動計画といたしましての夢づくりプラン,このもとに,個別分野ごとに指針や具体的な事業等を取りまとめました計画やプランを策定いたしまして,県民の参加や関係機関との連携も図りながら,各種の施策・事務事業等を総合的に実施いたしております。これらの計画あるいはプランは,その性格や計画期間も異なるということから,お話のように,同一のキーワードでこれをくくるということは困難でございますが,いずれも県民福祉の向上を目指すものであります。また,次期夢づくりプランの策定に当たりましては,現プランやマニフェストも踏まえながら,キーワードにつきましては十分吟味いたしまして,できるだけ県民にわかりやすいプランとなるように努めてまいりたいと思います。 隣県との政策のすり合わせでありますが,これまでも隣県との知事会議や中国地方知事会,中四国サミット,さらには事務レベルの会議等におきまして取り組んできております。今後,道州制の論議が一層高まるということや県境を越えました連携の強化が求められるということから,関係県と情報や意見を交換いたしまして,政策のすり合わせを行って,中長期の計画に広域連携を盛り込めるように取り組んでまいりたいと思います。 意義についてでありますが,変革の時代と言われますように,今日,私たちを取り巻く環境は大きく,しかもハイスピードで変化しているところであります。また,財政環境も大変厳しい状況にあるということから,短期的な視野と中長期的な視野を組み合わせまして,計画,実施,評価──プラン・ドウ・シーということを行っていくということが施策事業の目標を明確にいたしまして,効率性を上げ,効果を高めることになるものと考えております。 基本姿勢等とのつながりでありますが,私は平成8年の初当選以来,「対話の県政,開かれた県政」といたしまして,青空知事室の開催やマルチメディア目安箱の設置によって県民の声を直接県政に反映してきたところであります。「やさしさの県政」につきましては,福祉,健康・医療,防災といった分野を中心といたしまして,安全・安心な生活の確保に努めますほか,UDの普及啓発によるだれもが暮らしやすい岡山づくりなどに取り組んできております。「フレッシュな県政」につきましては,ITの活用によって時代を先取りし,時代の変化に即応いたしました新規施策を展開いたしますとともに,新しい制度や事業方式の導入やさまざまな改革に積極的に取り組むなど,知事就任以来,これらの基本姿勢を変えることなく,県民の皆様の幸せを追求する県政を展開いたしているところであります。 県民との協働についてでありますが,次期プランの策定に当たりましては,お話のように県民ニーズを反映したものとするということが重要であると考えておりまして,計画策定の早い段階から幅広く県民の意見を聞くなど,協働を基調に取り組んでいきたいと思います。県民ニーズの把握の方法についてでありますが,お話いただきました県民満足度調査といったことも含めまして,何らかの形で把握していきたいと考えておりまして,どのような方法がよいか今後検討してまいりたいと思います。 「選択と集中」でありますが,次期プランの策定に当たりましては,新たな時代の潮流や県民ニーズを的確に把握した上で,さまざまな課題の中から「選択と集中」の視点に立って重点的に実施する分野や施策等を検討してまいりたいと思います。 ローカル・マニフェストとの関係でありますが,夢づくりプランは,18年度を目標年度といたしまして具体的な数値目標を掲げた,当時といたしましては,いわばマニフェストを先取りいたしましたプランであると考えております。また,「おかやま大地夢づくり宣言」は,私が昨年秋の知事選挙に臨むに当たりまして,県民の皆様方に対するお約束といたしましてお示しをしたものでありまして,これは任期中に達成しようとする政策目標であります。したがいまして,マニフェストの目標年度は,夢づくりプランの計画期間を超える20年度としているところでありまして,夢づくりプランの数値目標の引き上げや項目の追加を行ったものであります。また,次期夢づくりプランについてでございますが,来年度,本格的に取り組む課題でございますが,その目標年度は23年度と考えておりまして,マニフェストをさらに発展・進化させた数値目標を見込んでいるところであります。マニフェストの検証でありますが,夢づくりプランと目標項目が共通するということから,プランとあわせまして毎年度中間的な進捗状況を評価・検証いたしまして,公表いたしたいと存じます。 | ||
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